実はこうだった!「道路標識」の定義と豆知識

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道路標識とは

「道路標識」は街を見渡すと至る所に設置されている道路に関する案内をしている標識です。車・自転車・歩行者など移動手段に問わず、道路の安全や警告をする標識でとても重要な役割を果たします。

内閣府が発行している「令和5年版 交通安全白書」によると、道路標識の数は規制標識・指示標識の設置枚数が約949万枚、そのうち約 53 万枚が大型標識(灯火式、反射式又は自発光式)であるとされています。

膨大な数の道路標識の中でも、必須で覚えたい基本の道路標識や学科試験に出る道路標識に関連する問題はそれほど多くはありません。こちらのページでは、道路標識の定義や覚えておきたい道路標識に加え、ちょっと変わった道路標識の豆知識までご紹介していきます。

車を運転するドライバーはもちろん歩行者も正しく標識を理解し、安全に交通ルールを守りましょう。

道路標識の種類

道路標識は「本標識」と「補助標識」に分類され、更に「本標識」が「規制標識」「指示標識」「警戒標識」「案内標識」の4種類に分類されます。

道路標識一覧

本標識

本標識は交通規制などを示すメインの標識のこと。補助標識と違い、本標識のみで設置されていることも多くあります。また、本標識は「規制標識」「指示標識」「警戒標識」「案内標識」に分類されています。

道路標識一覧

規制標識

規制標識とは、道路標識の一種で「交通止め」「車両交通止め」「車両進入禁止」「歩行者横断禁止」など"禁止"を促す内容、「自動車専用」「自転車及び歩行者専用」「一方通行」など特定の交通方法のや特定の方法で通行するように促す内容など、規制する標識を指します。

形は丸や四角が多く、色は禁止を促す内容が赤色、一方通行や歩行者専用を示す内容が青色です。

初心者必見!代表的な標識
~「規制標識」編~

①通行止め

歩行者・自転車・自動車・原付・路面電車など、全て通行はできません。

②車両通行止め

歩行者を除く全ての車両(自動車・原付・自転車等)の通行はできません。

③最高速度・最低速度

赤丸の中の数字は設置された道路の”最高速度”を規制し、示された速度を越えての運転をしてはいけません。

あまり見ることは多くありませんが、”最低速度”を規制する場合は数字の下に下線が引かれます。

④駐停車禁止

名前の通り、駐車・停車を禁止します。

赤い丸の上部に「8-20」と書かれている場合は、午前8時から午後8時までの指定された時間の駐車を禁止しています。時間の記載がされていない場合は終日駐車を禁止しています。

③車両進入禁止

名前の通り、車両は設置先の道路に侵入することを禁止しています。

標識を無視して侵入した場合、一方通行の道路を逆走することとなる危険行為となります。

時間指定や車両指定がある場合は規制標識の下に白の補助標識が設置されます。

④追越し禁止

名前の通り、”追い越し”を禁止しています。

「追越し禁止」の規制標識の下に、補助標識で「右矢印(→)」または「ここから」がある場合は、「(←)左矢印」または「ここまで」がある箇所までの範囲が追越しの禁止区間となります。

道路標識一覧

指示標識

指示標識とは、「並進可」や「駐車可」など特定の交通方法ができることや自転車横断帯や「停止線」や進んでも良い方向など、ドライバーに指示を与える標識です。また、道路上の危険や注意すべき状況などを前もって道路利用者に知らせて注意をうながします。

形は四角が多く、殆どが青地に白文字の標識となります。歩行者や自転車に関する案内は五角形で青字に白文字の標識となっています。

初心者必見!代表的な標識
~「指示標識」編~

①並進可

①並進可

自転車が並んで通行することができることを示します。

②優先道路

②優先道路

交通整理の行なわれていない交差点で見かける標識です。「優先道路」の標識の設置された道路が優先です。

③軌道敷地内通行可

③軌道敷地内通行可

この標識が設置されている場所で、自動車は軌道敷地内(路面電車が通行するレールの範囲)を通行できます。

道路標識一覧

警戒標識

警戒標識は「すべりやすい」「車幅減少」「交差点あり」「踏切あり」など、先の道で危険性や注意したほうがいいことを知らせます。2023年7月現在、警戒標識は全部で27種類あり、身の安全を守るためにも一覧を確認しておくのもいいかもしれません。

ドライバーに警戒を知らせるため、殆どの警戒標識は遠くからでも目に入りやすい黄色で、正方形の角を上にしたダイヤのような形の標識となっています。

初心者必見!代表的な標識
~「警戒標識」編~

①合流注意

①合流注意

標識が設置された先で道路の合流があることを知らせます。高速道路でよく見かける警戒標識のひとつです。

②すべりやすい

②すべりやすい

道路が滑りやすくなってる場所に設置されています。特に雨や雪の日など足元が悪い日の運転は注意しましょう。

③学校、幼稚園、保育所等あり

③学校、幼稚園、保育所等あり

横断歩道の標識を似ていますが、こちらはこの先に学校・幼稚園・保育所等がある場所に設置されています。子どもがいる可能性が高いエリアとなるので、飛び出しなど注意しながら運転しましょう。

④車線減少

④車線減少

標識の先で今の車線数から減少することの警戒標識です。場合によっては車線変更も伴います。工事中の道路などでよく見る警戒標識のひとつです。

⑤幅員減少

⑤幅員減少

この先の道路の幅が狭くなるため、注意を促す警戒標識です。車幅が現象するわけではないので車線変更などはありません。

道路標識一覧

案内標識

案内標識は大きく分けて3つあります。

① 経路案内

目的地・通過地の方向や距離を案内する

② 地点案内

その場所がどこか案内する

③ 附属施設案内

パーキングや待避所など、附属施設を案内する

特にドライバーの助けとなっているのが「経路案内」の案内標識で、大きな交差点の近づくと3段階の標識が掲示されてることが多いのも案内標識の特徴です。

交差点での案内掲示板

交差点から300~150m手前に設置された「予告案内標識」には、分岐点である交差点までの距離と分岐地点での進路について案内があります。この段階で自分がどの方面へ向かうか判断しておきましょう。

予告案内標識
予告案内標識

交差点から150~30m手前に近づくと「交差点案内標識」があり、進路変更を促します。

交差点案内標識
交差点案内標識

そして交差点を過ぎて約150m程進むとある「確認案内標識」では、進路が誤っていないことやこの先の道の通過地点までの距離を確認することができます。

交差点案内標識
確認案内標識

最近では車のカーナビなどであらかじめ目的地を入力していることから、案内標識だけを頼って移動することは少なくなっているかと思いますが、知っておくととても便利な標識です。

案内標識は、多くの場合が四角で青色または緑色の標識です。また試験問題に出ることは稀なため、特定の案内標識を覚える必要はありません。

補助標識

補助標識は、その名の通り補助の役割を持つ標識で、本標識が示す内容の補足を行う標識です。基本的には本標識の下位置に取り付けられてます。

例えば、本標識の規制内容が発動する特定の時間や曜日を補助したり、「ここから◯m」と書かれた補助標識は標識設置場所から◯m進んだ距離に本標識の指示がある、といった内容です。

道路標識一覧

道路標識の形や色に意味はあるの?

標識には数種類の形・色がありますが、これらは必要な情報が正確にドライバーや歩行者に届くように、内容に則した形・色が選ばれて掲示されています。これから紹介する標識の形・色を理解しておけば、なんの標識であるか判断が付きやすくなるので是非一読してみてください。

標識の「形」

1. 丸

丸は「禁止」や「規制」を意味する際に多く用いられます。丸は実際の大きさよりも大きく見える性質があることから、「進入禁止」や「速度制限」など、ドライバーが運転中にも注意に気付きやすくなっています。

2. 四角

四角は「案内」「指示」「警戒」などを意味する際に多く用いられます。四角標識として安定感があり、サイズに準じてさまざまな情報を提示しています。一方、四角の角を上にしたダイヤのような形をした標識は不安定な形とされ、よく警戒場所に掲示されています。

3. 三角

ドライバーの注意を引きやすい三角は、「一時停止」や「徐行運転」など丸よりも重要度の高い規制を行っている際に使用されています。

標識の「色」

今までも述べているように、標識は道路通行中の注意や危険場所での安全を伝えるものです。色には日本産業規格(JIS)によって規定された「安全色彩」と呼ばれる、遠くからでも人目でわかるように示す色があり、標識は信号同様に「安全色彩」が用いられています。標識は主に赤・青・黃・緑が用いられることが多く、それぞれ色別に役割があります。

1. 赤

赤色は「注意」「危険」「禁止」など強く注意を引く際によく用いられ、日常生活でも信号機の赤や消防車などが赤色である意味の役割を果たしています。

2.青

青色は明るくくっきりとした色味で視認性が高く、情報を瞬時に判断ができることから特定の交通条件などを伝える際によく用いられます。白文字との組み合わせが採用されることが多いのも、視認性が高いためです。

3. 黃

黄色は最も明るい色であり、赤色同様、遠くからでも人の注意を引くことができる色となっています。また黄色は人の目には大きく見える「膨張色」であり、同じ距離にあっても近くに見える「進出色」でもあることから、注意を目的とする際によく用いられます。標識以外の日常生活でも、児童が登下校に被っている帽子や工事現場での配色にも使われています。

4. 緑

緑色は気持ちを落ち着かせて和らげる効果があり、標識としては「非常電話」や「非常口」など誘導する色として用いられてます。また、高速道路上でもよく目にすることがあります。色の効果で落ち着いて行動できます。

「道路標識」と「道路標示」の違い

道路上に建てられた看板を「道路標識」と呼ぶのに対し、道路上にペイントなどで描かれた記号・文字のことを「道路標示」といいます。

歩行者が使う「横断歩道」の白線や、ドライバーの方は交差点手前にある白線・方向を促す矢印の白線などが親しみのある道路標識ではないでしょうか。

道路標識同様、道路標示も事故を未然に防いだり、危険な場所への注意喚起や、交通の指示・案内などの役割を担っています。

ドライバー必見!学科試験で間違えやすい道路標識3選

ここからは学科試験問題でよく出題されたり、間違えやすい標識をご紹介していきます。運転中にも役立ちますので、ぜひここで覚えていきましょう。

①車両交通止め:二輪の自動車以外の自動車通行止め

①車両交通止め:二輪の自動車以外の自動車通行止め

特定の車両のイラストが描かれている場合、描かれたイラストの車両が通行できないことを指します。この場合、四輪車が描かれているため二輪自動車(バイク等)は通行ができ、それ以外は通行できません。

②車両横断禁止

②車両横断禁止

走行中、右側に目的地の駐車場・自宅・コンビニなどの施設があった場合、「車両横断禁止」があると右折で入ることを禁止する標識です。「右折禁止」と間違えられることが多いので注意しましょう。

③進行方向別通行区分

③進行方向別通行区分

進行する方向別に指定された車両通行帯(車線)を通行しなければいけません。矢印の下に車種のイラストが描かれている場合、対象の車種は指定された車線を通行しなければいけません。

違いに注意!間違えやすい類似した道路標識5選

標識には数種類の形・色がありますが、これらは必要な情報が正確にドライバーや歩行者に届くように、内容に則した形・色が選ばれて掲示されています。これから紹介する標識の形・色を理解しておけば、なんの標識であるか判断が付きやすくなるので是非一読してみてください。

「幅員減少」と「車線数減少」

  • 幅員減少
    幅員減少
  • 車線数減少
    車線数減少

左は「幅員減少(ふくいんげんしょう)」の警戒標識で、イラストの通り「この先、道幅が狭くなる」という意味です。

一方、右は「車線数減少」で「この先、車線数が減る」という意味で、中央の点線は車線数を意味します。

こちらの2つは自動車教習所での試験や、運転免許試験場での学科筆記試験でも出題されることがあるので覚えておきましょう。

「車両通行止め」と「駐車禁止」

  • 車両通行止め
    車両通行止め
  • 駐車禁止
    駐車禁止

かなり類似したイラストで混乱する人が多いのがこちらの2つです。左は「車両通行止め」で、「歩行者以外の車・自転車などは通行ができない」という意味です。一方、右は「駐車禁止」の規制標識で、言葉の通り「車の駐車を禁止」しています。

「車両通行止め」と「通行止め」

  • ほげ
    車両通行止め
  • 通行止め
    通行止め

前で紹介した内容に続いて、「車両通行止め」と「通行止め」も間違えやすい標識のセットです。左は「車両交通止め」で「歩行者以外の車・自転車などは通行ができない」という意味で、右が「通行止め」で「通行止め」は「車両に加えて歩行者・路面電車のすべてが通行禁止」です。

「一方通行」と「指定方向以外進行禁止」

  • 一方通行
    一方通行
  • 指定方向以外進入禁止
    指定方向以外進入禁止

左が「一方通行」、右が矢印の方向以外の車の進行を禁止する「指定方向以外進入禁止」です。「指定方向以外進入禁止」の矢印の向きは様々あるのも特徴です。

「警笛鳴らせ」と「警笛区間」

  • ほげ
    警笛鳴らせ
  • ほげ
    警笛区間

こちらはどちらも警笛鳴らすの意図の標識ですが、右の「警笛鳴らせ」は標識がある場所で必ずクラクションを鳴らさなければなりません。

一方の左の「警笛区間」は、補助標識で矢印がついており、その区間で「左右の見通しがきかない交差点」「見通しのきかない曲がり角」「見通しのきかない上り坂の頂上付近」に差し掛かったらクラクションを鳴らさなければなりません。鳴らしたまま走行するわけではないので注意しましょう。"見通しのきく"場合はクラクションは鳴らしてはいけないのもポイントです。

道路標識の豆知識

各地に設置されている案内標識の「東京」は具体的にどこを指している?

高速道路や東京以外の地域で見かける案内標識の「東京」。こちらは東京都中央区の「日本橋」までの距離を表示しています。

日本橋といえば、江戸時代の五街道(東海道・甲州街道・奥州街道・日光街道・中山道)の重要街道の起点として定められた場所です。現在も「日本橋」の橋上中心には道路の起終点を示す「道路元標」が埋め込まれ、国道など幹線道路での東京の起点となっています。

日本で一番大きな道路標識はどこにある?

日本で大きな道路標識は、やはり交通量の多い高速道路に設置されているものでした。

場所は大阪府吹田市から松原市を繋ぐ高速道路「近畿自動車道」で、2019年に国土交通省が発表した”高速道路の交通状況ランキング"でもTOP10に入る交通量の多さの高速道路でもあります。

大きな道路標識は松原市から吹田市方面の大東鶴見インターチェンジから門真ジャンクション間を走行していると目撃することができます。

日本一大きな道路標識は、幅10.5m×高さ7mで面積は73.5㎡、フルカラーでLEDの巨大標識な案内標識です。畳で換算すると約47畳、坪に換算すると22坪となり、一般的なファミリー向けの物件の間取りに比例します。

ぜひ運転免許を取ってお出かけした際には見てみたいものですね!

その土地ならでは!動物注意の道路標識

ご当地を車で巡ると、都会ではなかなかお目にかかれない珍しくつい写真を撮りたくなるような標識に出会うことがあります。

①「ヤドカリ注意(東京都)」

ほげ

東京都小笠原諸島に位置する父島・母島。『ムラサキオカヤドカリ』をはじめ、4種類のヤドカリが天然記念物とされています。

小さな動物へ注意を払いながら安全に走行してほしいという願いを込めて父島・母島の都道に設置されています。他にも「ヤドカリ注意」の標識は沖縄県にも設置されているようです。

②「馬に注意(岐阜県)」

ほげ

北海道など、放牧を行う地域では時々馬のシルエットが描かれた黄色の「馬飛び出し注意」の標識がありますが、こちらは馬に人が乗ったシルエットな上、特定の交通条件を意味することが多い青色の標識。

実はこちら、岐阜県笠松町にある笠松競馬場沿いに設置された道路標識で、笠松競馬場と道路を挟んだ厩舎間を競走馬が行き来するため設置されたもの。全国でも珍しく、この看板が見られるのはここだけかもしれません!

道路標識のデザインや設置方法とは?

ここまでご当地感のある標識をご紹介してきましたが、一部の地域でしか見られない道路標識のデザインや設置の仕方についてご紹介します。

道路法及び、道路交通法「道路標識、区画線及び道路標示に関する命令」に規定されている道路標識については、「著作権法」によって著作権の対象外となっています。そのため、標識を自由にデザインすることが可能ですが、利用者に混乱を与えないよう配慮する必要があります。勝手に設置することは禁じられており、設置の際は近くの警察署に問い合わせが必要です。

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